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尺八解説




●尺八の音色~魅力編~
尺八の魅力は、なんといってもその音色にあります。指使いだけでなく、息の使い方、あごの動かし方、唇のあてかたなどによりさまざまな音色を出すことができます。たとえば同じ音でも「ユリ」をいれて深みを出すこともできれば、「アタリ」をいれてシャープさを出すこともできますし、音と音の間のつなぎも「スリアゲ」をいれてなめらかにしたり、「ナヤシ」をいれて変化させたりすることもできます。さまざまな工夫をこらすことによって、一音の中に幾通りもの色をつけることができるのです。

尺八には基本的には穴が5孔しかあいていません(7孔などもありますが5孔が主流です)。だからといって音程的に音が少ないのかというと、そうではありません。同じ指でも「メリ」(あごを下げる)をいれることで半音下げたり、「カリ」(あごをあげる)で半音あげたりすることができます。また、同じ音程の音でもまったく違う音色になるものもあります。例えば「ツ」と「レのメリ」は音程的には同じですが、「レのメリ」の方が、ツよりもずっとこもった暗い感じの音になります。


●尺八の音色~科学編~(OB寄稿)
縦笛と言ったら小学校でやりましたリコーダーがありますね。一番大きな違いは尺八は息のガイド部分がないことです。そのために歌口がフルートと同じようにむき出しになっていることです。ですので、音を出すには自分で息をガイドする必要があるので、フルートと同じで音を出すにはちょっとコツがいります。また、息の加減によって音色もだいぶ変わります。

音が発生するときに音の波長は管の長さより少し長くなり、これを物理では開口端補正といいます。尺八は開口端から息を吹き付けますので、この補正量を息で調節することができるようになります。ですから、息で音の高さを調節して自由に音色をあやつることができる(メリカリ)というわけです。


●尺八の名前
尺八はなぜ尺八と呼ばれるのでしょうか?それは尺八の長さが一尺八寸だからです。一尺六寸やニ尺、ニ尺三寸のものもありますが、短いほど音域が高くなります。一寸短くなる毎に半音上がります。(例:『ロ』は八寸ではD、六寸ではE)
しかし一番使われるのはやはり一尺八寸です。初心者の練習もまず一尺八寸からはじめ、次第に一尺六寸もとりいれるようになるといった感じです。現代曲、とくに宮城曲には一尺六寸のものが比較的多いです。例えば、有名な「春の海」という曲を吹くには一尺六寸の尺八が必要になります。ちなみに尺八は真中で分けてコンパクトにできるものが多いので、一尺八寸とはいっても持ち運びには苦労しません。


●材質
尺八は真竹でできています。尺八のことを単に竹と呼ぶこともあるくらいです。しかし竹の尺八は高価で手入れも難しいので、初心者の場合には、木でできた尺八(木管)を使うこともあります。より安価なプラスチック管もあります。プラ管の「悠」(九千円弱)は性能が非常に良く、また温度湿気で割れることも無く手入れも通常の竹や木よりも容易で、最近の新入部員はこちらをつかっています。学三所属の他大学も使っているようです。


●手入れ
尺八は天然素材でできていますから、あまりいい加減にあつかっていると割れます。ああ、恐ろしい!!しかし基本事項さえ守っていれば大丈夫ですから安心してください。 基本的には「乾燥」「急激な温度変化」に気をつけてください。また、使わないときには歌口を常にキャップで保護して下さい。ぶつけるとかけてしまいます。


●琴古流
尺八のニ大流派は琴古流(きんこりゅう)と都山流(とざんりゅう)で、学生邦楽サークルのほとんどがいずれかに属しています。東大尺八部は琴古流になります。他に明暗流、竹保流、上田流などがあります。

琴古流は江戸時代に黒沢琴古が全国の普化寺を巡って、表18曲、裏17曲の本曲を集め整理したものを継承する流派です。(こちらに琴古流の曲目一覧を掲載してあります。)明治時代に、法器であった尺八は楽器としての体裁をととのえました。ちなみに左の図が、琴古流の譜面です。初めは「なにこれ!?」と思う方も多いでしょうが、すぐ読めるようになります。♪でなくて音名でイロハ、とかいてあるようなものですからト音記号やヘ音記号のある5線譜よりずっと読みやすいです。音名は都山流とたいしてかわりませんので、琴古譜が読めれば都山譜も読めるようになります。